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高い環境で簡単なことを確実に

J1の浦和レッズが、24日にACL決勝進出を決めた。
決勝の相手は川崎フロンターレをPK戦で下した、イランのセパハン。
今でこそ、レッズはACL優勝やJ1の2連覇が目前だ(そして両方を勝ち取り、クラブW杯で勢いそのままに活躍することを信じている)が、1999年には元得点王・福田正博の「涙のVゴール」でJ2に降格し、2000年はコンサドーレ札幌とJ2優勝を激しく争うも引き離され、最終戦にVゴールの末J1復帰を決めるなど、苦しい状況にあった。
その2000年、インタビューで福田はこんなことを語っていた(小齋秀樹著「Goalへ 浦和レッズと小野伸二」より引用・抜粋)。

「難しいシュートなんて、決める必要はない」
「いかに簡単なシュートを決めていくかっていうのが、僕は大切なことだと思っているんですよ。そして、その前提として、ゴールするために良い動きをするってことが重要なんだよね」
「武田(註: 武田修宏、元サッカー日本代表)はそういう動きを何度も何度も繰り返して、たまたま結果として何回かそういう(註: 味方のシュートのこぼれ球を押し込む、などの)シーンがあるだけで、労を惜しまずにゴールするための動きをしてると僕は思うんですよ。そういう選手のところに、大切なときには必ず何かが微笑んでくれる、僕はそういう気がするんだけどね」

「高いレベルを想定すること自体が心理的な負担になる」
「そもそも高いレベルを想定してトレーニングを積むのではなく、環境が高いレベルにあればいいのだ」
「一番大切なのって環境を作ることでしょ。(中略)厳しい環境を作る、競争ができる環境をうまく使っていくかで競争が生まれるんだからさ」
(小野伸二の置かれた状況について)「そういう(註: 低い)環境の中で自分は高いモチベーションもってやんなきゃいけない。やんなきゃいけないって思ってること自体もうストレスだからね。そんなのは選手が抱えちゃいけないストレスですよ。グラウンドに出たら、もう自分のプレーを精一杯やればいいという環境が作られていれば、 <高いモチベーションを持って> なんてこと一切必要ないよね。だけど、グラウンドに出て、どうもそういう雰囲気ではないと思ったときに、それでも彼はやっぱり高い意識を持ってやらなきゃいけないって思うわけですよ。 <もっと高いとこ向いてやんなきゃいけない> って。それを毎日思い続けなきゃいけないわけでしょ。これは並大抵なことじゃないですよ。自分で環境をどうにか変えてやる、こんなストレスはないよね。それはシーズン通しては続かないよね。残念だけど」

現在のレッズは、上で福田が語った問題点はほとんど解決しているだろう。
そうでなければ、現在の地位はないはずだから。

(追記: 「難しいシュート」の下りについては、小齋氏本人による以下の記事も参照のこと。
・一つもなかった‘スーパーゴール’
http://www.resonacard.co.jp/reds/onceupon/column_0304.html

簡単なシュートを決めていくことの大切さは、バスケットボールなどシュートのあるスポーツでは当てはまることが多いだろう。
もちろん、大学の研究やビジネスなどにおいても、難しい方法ばかり追い求めるのではなく、簡単な方法や仕事を着実にこなしていくことが、最終的には大きな成果を生むことにつながる。
私自身も、大学時代の研究で似たような経験をしているので、実感はある。

また、相手やチーム・組織のために「労を惜しまずに」働くことで、「大切なときには必ず何かが微笑んでくれる」ことも、良くあることではないだろうか。
努力がいつか報われるのと同じように。
バスケットボールでも、普段から積極的に攻守に走り回れば、経験上いいポジションが取れることにつながるし、また味方からパスも出してくれるようになる。

環境が高いレベルにあるなら、一所懸命に自分のことをやれば、結果もついてくることが多いのではないだろうか。
また、自分の成長も早いだろう。
仕事で言うなら、「職場に出たら、もう自分の仕事を精一杯やればいい」という環境が作られているのが理想なのだろう。
私がインターンシップを経験したときは、周りの環境の高さが自分の成長を促してくれたことを憶えている。

ただ、現実はそうではないという方もいるかもしれない。
ぬるま湯と化した今の状況に安穏とし、「井戸の中の蛙」になってしまうこともあるだろう。
もっと「高いレベルを想定」しなければ、自分の成長はないにもかかわらず。
今の私の立場はそれに近いことを、それとなく感じている。
ただし、高い環境にいるためには、自分の能力がそれに見合ったものでなければならないだろう。
自分の能力のなさを棚に上げ、環境が低いと嘆いたところで、何も変わらない。

その一方で、もっと上を向き、自分のいる環境を変えるというのは確かに難しい。
「自分のいる環境を変える」には、例えば自分が移動することで環境が変わる、自分の環境そのものを変える方法があるが、上の文では後者を説明している。
ただ、環境そのものを変えることは、自分を変えることにもなるかもしれないだろう。
むしろ、自分を変え、成長させることで、今までは未熟さゆえに見えなかったものが成長につれ見えるようになり、環境が変わったかのように感じることもあるだろう。

まとめると、高い環境に身を置き、簡単なことを確実にすべし、という2点に集約できる。
この2点を達成できれば、きっと大きく成長できるだろう。
高い環境に身を置くことはともかく、簡単なことを確実にすることは、日ごろの心がけ次第で出来るので、意識したい。

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