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参加者が明かすIPAフォーラムの裏話

「IT業界不人気の理由は? 現役学生が語るそのネガティブイメージ」
http://www.atmarkit.co.jp/news/200710/31/ipa.html
の記事に関して、反響がいろいろあるようだ。

最近になり、上の記事(@IT)で取り上げられていたIPAフォーラムの参加者の方が、blogでその模様を書いていることを知ったので、リンクをはっておく。
http://d.hatena.ne.jp/next49/20071030/p1
http://d.hatena.ne.jp/itoyosuke/20071101/1193932945

itoyosuke氏の記事について、面白い指摘があった。
> その流れで、「入社時にITのスキルを問わないというのは、Googleのような企業の方針とは反対であるが、それですばらしいサービスを作ることができるのか」という質問が出たのだけど、「Googleの開発と日本のカスタムメイドなシステムを作るSIerの開発は違うもの。Googleはスモールチームで仕上げるが、日本は製造業的にラインを組んで仕上げるため、いろんな人材が必要になる。」とのこと。単に効率の悪いシステム開発をしているということではないかと思ったのだが、どうなのでしょう。

「製造業的にラインを組んで仕上げる」というのは、たとえばウォーターフローモデルのようなものを指しているのだろう。
この方法は、製造業的な品質管理が出来る(?)良い面もあるのだろうけど、私には悪い面のほうが目立ってしまう。
上(上流の人間、またその人間が書く仕様書など)がダメなら下もだめになる可能性が高いなどだ。

また、「いろんな人材が必要になる」とあるが、これが安易にスペシャリストを寄せ集めることを指しているのなら、どうしようもない発言だろう。
スペシャリストだけでなくゼネラリストも必要であろうし、できれば複数の強みを臨機応変に発揮できる「ポリバレント」な人材が(便利屋、ユーティリティプレイヤーとは区別する)、あるいはそういった人材を育成することが必要になるだろう。
スペシャリストを集めるにしても、シナジー(相互作用、interactionとはちょっと違う)やケミストリー(化学反応)が集団の中に生まれるようでなければ、ただの寄せ集めだ。
そのことは、スポーツで能力の優れた選手を集めた(特に金に任せて)からといって勝てるわけでもなく、さらにその例は枚挙に暇がないことからも、明らかといえる。

http://www.atmarkit.co.jp/news/200710/31/ipa.html
の記事によれば、「きつい、帰れない、給料が安いの3K」に加えて、「規則が厳しい、休暇がとれない、化粧がのらない、結婚できない」の“7K”というイメージに対し、浜口友一・NTTデータ取締役相談役はこう答えたという。
「必ずしも全員が3Kではない」
岡本晋・TIS社長も「3Kの“帰れない”は、帰りたくない人が帰れないだけ。スケジュール管理の問題だ。私は40年間近くIT業界で仕事しているが、何が一番幸せかというと退屈している暇がないことだ。技術が進歩するにつれわれわれの仕事も複雑化してくるが、一生懸命追いかけていくだけでも退屈しない。いい仕事を選んだと思う」と答えたという。
「3Kの“帰れない”は、帰りたくない人が帰れないだけ。スケジュール管理の問題だ」に関して、議論のすり替え、論点ずらしという人もいるようだ。
「スケジュール管理の問題」に関しては間違ってはいないのだろうが、これは他の方の言葉を借りてまとめれば「むちゃくちゃなスケジュールを強いる会社や上司に問題があるのでは」との指摘がないことが前提である。
「私は40年間近くIT業界で仕事しているが、……」は、完全に議論のすり替えだろう。
内容自体はまあ普通だが。

最後に、中島聡氏が書いた、IPAフォーラムに触れた記事を紹介しておく。
優秀なエンジニアは「入社時のスキルを問わない会社」には就職してはいけない
http://satoshi.blogs.com/life/2007/11/post-2.html

以下は上の記事からの引用。
> ちゃんと大学でコンピューター・サイエンスを学んだ学生は決して「入社時のスキルを問わない」ような企業には行くようなもったいないことをしては行けない。「入社時のスキルを問わない企業」が「技術力ではなく安い人件費と体力で勝負している会社(=7K企業)」「社員教育を顧客の金を使ってする会社」である可能性はものすごく高いのだから。

こういう会社に限って、違法行為すれすれのことをやっていたりするのだから、たちが悪い。
「天網恢恢疎にして漏らさず」という言葉通り、いずれしっぺ返しを食らうのだろうけど。
ただ、ちゃんと「まともな」大学で「ちゃんとした」コンピューター・サイエンスを学んだ学生であれば、自然と「入社時のスキルを問わない」ような企業になんか行かず、世間がうらやむような会社、高い実力を持つ会社にいけるのだろうけど。

> 「優秀なプログラマーしか採用しない」企業に入って自分より優秀な人に囲まれて自分を磨くべき。

これはその通りだと思う。
私のblog「高い環境で簡単なことを確実に」
http://danpaleta.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_3fb3.html
とも、通じる点はある。

プログラマーに限らず、優秀な人間が集まる会社に入れるかどうかは、まず自分の力量が高くなければいけないと私は考えている。
「類は友を呼ぶ」という言葉が示すとおりで、人は似たような力量の人間を求める傾向があるのかもしれない。
また、自分に実力がなければ、優秀な人間には相手にされないものだ。
もし、今の会社に優秀な人間がいっぱいいると感じたら、そのことには感謝すべきだろう。
逆に、そうでなく優秀ではない人間がいっぱいいると感じたら、それは自分に実力がないからだと考えるべきではないだろうか。
もっとも、自分の実力のなさゆえに、優秀な人間を優秀だと感じられないこともあるのだろうけど。
本当に自分が優秀であれば、いずれそういった悪い環境から抜け出せるはずだ、と私は信じている。
このことは理想論で、現実は違うのだろう。
ただ、理想と現実のギャップを埋める努力はしなければならない、と私は考える。
不平不満を言っていても、何も始まらないからだ。

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