平和をデザインする
阪大の川崎教授のblog (http://artgene.blog.ocn.ne.jp/kawasaki/)で、PKD (Peace-Keeping-Design)というものを知った。
平和を「デザイン」によって実現する活動で、ワクチンの提供やトリアージの方法を見直すといったことに取り組んでいる。
川崎氏のblogによれば、国連のPKOやPKF、UNICEFやUNESCOによる平和維持活動には限界があるという。
PKOやPKFの活動の背後に武器があるというのが理由のようだ。
PKOなどの対象となる発展途上国では、教育が行き届いていないこともあり、識字率が低いといわれる。
しかし、子供の武器のリテラシーは高く、爆弾を作ったり拳銃を分解して作り直すことを訓練されているようだ。
やがて金儲けの方法に麻薬が加わるとのこと。
私が川崎氏のblogを読んで驚いたのは、ワクチンと麻薬が関係していたことだ。
発展途上国にワクチンを送っても、腐るので捨てられるという。
熱帯ではワクチンの管理が難しい、というのが腐る理由のようだ。
そして注射器が残り、麻薬を打つのに使われる。
川崎氏のblogによれば、日本がどんなにワクチンを提供しても、(発展途上国支援という)目的は果たせていないというのが現状とのこと。
発展途上国や戦乱の国にワクチンを送り届けても、せっかくの努力が空しく終わるのであれば、なんだか悲しい。
そこで川崎氏は多くの協力の下、麻薬の充填を防ぐ使い捨ての注射器を考え出した。
さらに、注射方法のマニュアルをはじめ、使用後は再利用を防ぎつつ安全に廃棄できるパッケージ、冷凍保存機能付きトランク、パラシュート投下による運搬方法まで完成させたのだという。
また、トリアージの基準は4段階(死亡および不処置群: 黒色、最優先治療群: 赤色、非緊急治療群: 黄色、軽処置群: 緑色)で行われているが、川崎氏はこれを3段階にすることを提案している。
川崎氏のblogによると、4段階のうち真ん中2段階の判断は混乱の元で、また研究者は真ん中2段階をどうするかばかり議論しているという。
そんなことをするくらいなら、治療が必要な人たちはみんな病院へ運び込めばいい、というのが3段階トリアージのもとになっているようだ。
3段階トリアージで2段階目の人を全員病院へ運んだとき、病院がパンクしないかというのが心配ではあるが、考え方としては面白い。
また、川崎氏はトリアージタグにICタグを埋め込むことも提案している。
blogによれば、「非常時だからこそ素早く、しかし確実に判断できるタグをデザインすることが大切だと思ったのです」とのこと。
いまだに内戦が続いている地域もある中、上のような活動を通して平和に貢献するのもありだろう。
川崎氏はワクチン、トリアージに続くPKDもきっと考えているだろうから、注目したい。
PKD (Peace-Keeping Design)
http://artgene.blog.ocn.ne.jp/kawasaki/2008/02/pkd_peacekeepin_6b4e.html
http://artgene.blog.ocn.ne.jp/kawasaki/2008/02/pkd_peacekeepin_9f62.html
http://artgene.blog.ocn.ne.jp/kawasaki/2008/03/pkd_peacekeepin_852b.html
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