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October 2008

ICT業界における多重下請けを解消するには

・脱・多重下請け構造へIT業界がすべきこと
http://it.nikkei.co.jp/business/news/index.aspx?n=MMIT2z000016092008

下請けに任せる理由としては、人件費が安く利益を確保できる、自社だけでは人が足りない、などいろいろある。
ただ、多重下請けは「各社がこのように固有のスキルやノウハウを持てれば問題は改善される」とあるが、そんな当たり前のことで解決できるほど甘い状況ではないと私は見る。
各社(個人)が固有のスキルを持つだけでなく、前述の下請けに任せた際の問題を解決しなくてはいけないから、というのが理由だ。
すべてを一度に解決するのは難しいだろうから、1つ1つ解決していくしかないだろう。
安易に人件費の安いところへ丸投げすることを避ける(記事中でも触れられているが、そうすればピンハネも減る)、発注元にもそれなりのコスト負担をお願いする(これは安い費用で無理な要求をする発注元も悪い)、などが解決策の例か。
もっとも、人材育成や人材確保のようにすぐにできない問題もある。
人材育成は時間がかかるし、人材確保は記事を読む限りヨーロッパ型が参考になりそうだが、後者は日本にあったやり方も必要で、法律の改正も必要となるかもしれない。
ただ、このように問題の多い多重下請けというやり方は、いずれ行き詰るだろう。
それで悪徳業者が淘汰されればよいのだが……

一方、記事中でも触れられている「指揮命令や責任区分の問題」は、プロジェクト管理さえしっかりしているなら何とかなる、ということもあるだろう。
SIの場合、仕様が固まっていれば作業の見通しも立てやすくなり、結果としてプロジェクト管理も容易になる。
現実は仕様が固まっていなかったり、追加されたり、あいまいだったり、あるいはおかしかったりなど、理想とは程遠いのだが。
そんな状況でプロジェクトを管理しようとしたらどうなるか、推して知るべし。
(もっとも、肝心の実装の箇所ではやってみないとわからないことがいろいろある。Life is beautifulの中島氏もそんなことを指摘していた憶えがある。机上の計算通りなら何の苦労もない、ということだ)
ただし、プロジェクトの目的という「魂」がなければ、プロジェクト管理はただ人や作業を管理しているだけで終わり、管理自体がプロジェクトの目的と化してしまうだろう。
仏作って魂入れずとはまさにこのこと。
プロジェクトマネージャには、プロジェクトの目的をメンバーに的確に伝え、メンバーを束ねる強力なリーダーシップがなければいけないだろう。

PS1 「固有のスキルやノウハウ」のくだりで、ビジネスの世界では何か1つでも強みがなければ生き残ることは難しいことを、とある方へ相談した際に指摘されたことを思い出した
PS2 SI以外の仕事では、プロジェクトの最終到達点が明確であっても最終成果(仕様)の内容が不明瞭なこともあり、プロジェクト管理が難しい点もある。これもやってみないとわからないことがいろいろあって、難しい
PS3 記事中に「日本人一般として職業の安定を志向する」とあるが、日本は老後に金がかかり、年金も今後は当てにならないだろうから、稼げるときに安定的に稼いでおかないと、退職後は「健康で文化的な最低限度の生活」すらままならないだろう。だから、職業安定志向は至極当然ではないだろうか

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