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December 2008

医薬品のネット販売に潜む問題

薬事法の改正について、厚生労働省の方針で決まったようだ。
・“予定通り”に決着した医薬品ネット販売
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/19876.html
・厚労省、医薬品のネット販売規制へ 既定路線撤回せず
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20081224AT3S2300O23122008.html
参考(2008年2月時点での議論): http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/02/s0208-14i.html

これには賛否両論があり、ネット販売側、利用者側などさまざまな意見がある。

・困ります、私たち。~ネットで薬が買えないなんて~
https://common2.rakuten.co.jp/form/medicine/net_signature/
・大衆薬のネット通販禁止を―薬害被害者団体など
http://www.excite.co.jp/News/society/20081119/Cabrain_19235.html
・医薬品のインターネット販売に関する日本薬剤師会の見解
http://www.nichiyaku.or.jp/contents/kiseikanwa/pdf/net_kenkai.pdf
・一般用医薬品のインターネット販売の規制を求める要望書
http://homepage1.nifty.com/hkr/yakugai/iyakuhin-hanbai/naikakufu-youbou081117.pdf

これらについては、以下の記事が詳しい。
・医薬品のネット販売規制、賛否両論より大切なもの
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20081209/118446/

どの意見にも、耳を傾けるべき点はある。
ネット販売側が「買えなくなる」と例に取り上げている薬には、置き薬にあるような薬がいろいろとあり、確かに不便になる。
また、薬剤師側は「一般用医薬品の販売は対面販売が原則であり、インターネット販売については禁止、少なくとも第三類医薬品に限定すべきである」と主張している。
「医薬品には必ずリスクである副作用の発生が伴っている」「医薬品の販売は、利便性よりも安全性がより確保できる制度のもとで行われることが重要である」はもっともであり、私も賛成である。
「一般用医薬品のインターネット販売の規制を求める要望書」にある「消費者の求める『利便性』は、あくまで『安全性』を前提にしたものです」も、私はうなずける。
加えて、「一般用医薬品のインターネット販売の規制を求める要望書」には十数の薬害被害者団体が賛同している点は、無視してはいけない。

私が書こうとしていることは、実はだいたい上の「医薬品のネット販売規制、賛否両論より大切なもの」の記事で書かれている。
(良くも悪くも上の記事の受け売り状態かもしれないけれど)
それは、ネット販売側と薬剤師側の意見の一部は、暗に自分たちの商売チャンスや利権を守りたい、と主張したいだけでは、ということだ。
特にネット販売側にいたっては、こじつけに近い主張すら見受けられる(特に「困ります、私たち。~ネットで薬が買えないなんて~」の真ん中あたり)のは私だけだろうか。
ビジネスチャンスを奪われたくがないために意見を出すのは、愚かでしかない。

「医薬品のネット販売規制、賛否両論より大切なもの」では、今すぐに薬が必要な状況で「ネットで医薬品を買う確率は、限りなくゼロに近い。理由は明快──待てないからだ」と書かれている。
「一般用医薬品のインターネット販売の規制を求める要望書」で書かれている、「一般用医薬品の安全性確保は大きく後退し、将来に大きな禍根を残す」が極端だという意見ともども、ある程度納得できる。

処方箋の必要な薬と比べ、副作用などの問題が少なく、比較的安全性が高い医薬品であっても、リスクの大小は千差万別であり、だからこそ厚生労働省は3段階の分類をしようとしているのだろう。
そういう背景を無視して、ネット側の主張である、医薬品はすべてネットで販売できるようにしよう、では乱暴である。
医薬品を購入するに当たり、時には薬剤師のアドバイスが必要な場面もあるからだ。
そのための薬剤師ではないのか。
また、「“予定通り”に決着した医薬品ネット販売」では、「極論すれば、ネットで購入した催眠剤で自殺者が出たことが問題ならば、それは科学的根拠の有無を問わず、厚労省の責任だろう」と書かれてある。
国民を守るべき厚労省としては、医薬品をすべてネットで販売可能とするのは甘すぎるとの批判のそしりを免れないし、かといって厳しすぎても国民の利益は奪われるだろう。

安全性の確保(薬剤師という専門家の存在も含めて)と消費者の利益を天秤にかければ、現時点では第三類医薬品、せいぜい第ニ類医薬品に限定して販売するのが妥当というのが私の考えである。
その後、徐々に対象を広げていくのがよいのではないか。
規制緩和の流れとはやや逆行するかもしれないが、安全性には代えられないだろう。

薬剤師については、「医薬品のネット販売規制、 賛否両論より大切なもの」のコメントに「薬科大学の教育システムは薬剤師を養成するためにあるのではなく、薬科大学教員にメシを食わせるためにあります。医薬品の具体的な知識なんて教えられる教員はいないし、その気もない。(中略)医薬品に関しては素人同然の人間が『薬剤師』という名札をつけて売り場にいるだけというのが現実です。つまり、薬剤師に売らせたって、安全の確保なんかできないんですよ」とある。
こういう状況が正しいのなら、「医薬品のインターネット販売に関する日本薬剤師会の見解」が薬剤師の利権を守るために出したものだといううがった見方をされても、仕方ないだろう。

「医薬品のネット販売規制、賛否両論より大切なもの」の著者は、「厚労省にふりまわされ、オンライン販売側と日本薬剤師会、日本薬剤師会薬害オンブズパースン、全国薬害被害者団体連絡協議会が、『消費者の重大な権利が侵害』『将来に大きな禍根を残す』といいあうだけでは、不幸になるのは消費者なのだ。相互に現実は現実と認め、『利便性』と『安全性』を両立させるために協力することが第一歩である」と結んでいる。
この意見も踏まえつつ、安全性の確保と消費者の利益(利便性)を天秤にかけ、バランスの取れたネット販売制度が生まれることを私は望む。

2つの"COP"のつながり

少し前にニュースで踊っていた、COPという略語。
たいていのニュースでは、今月13日に閉幕したCOP14、つまり気候変動枠組条約の第14回締結国会議の方を指している。
かなり大雑把に書くと、地球温暖化問題について、「京都議定書」の期限以降どうするかを決めるための会議。

一方、COP10と書かれている場合、今日本では上の条約の第10回会議のことじゃなくて、生物多様性条約の第10回締結国会議を指すのが暗黙の了解のようだ。
知っている人もいると思うけど、会議が日本で開かれる(http://www.cop10.jp/aichi-nagoya/)ので、注目されているのだ。
私としては、生物多様性をダシにして、会議で使う施設の改修などの公共事業の名の下に利権をばら撒いたり金儲けをしたりすることはせず、会議の趣旨を開催地の人たち(特に「議員」さん)が正しく理解し、粛々と会議を開催する、あるいは協力していくことを切に願う。
地域振興などの利益は後から付いてくるのだから。

で、COPはどっちもConference of Parties(締結国会議)の略。
文脈を正しく読み取らないと、混乱に拍車がかかりそう(私も混乱しそう)。

肝心のCOP14のほうは、残念ながら成果があまり出なかったとのこと。
新聞の社説でも厳しい見方をしている。

12/16付朝日新聞社説: (後半)温暖化防止―「南北共益」の道はある
http://www.asahi.com/paper/editorial20081216.html
12/16付毎日新聞社説: COP14閉幕 環境と経済の両立日本が示せ
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20081216k0000m070140000c.html
12/14付読売新聞社説: COP14 険しさを増した「ポスト京都」
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20081213-OYT1T00837.htm
(参考)12/16付産経新聞主張: 排出量取引 EUと競える制度構築を
http://sankei.jp.msn.com/life/environment/081216/env0812160251000-n1.htm

温室効果ガス削減義務を負いたくない途上国、景気後退で削減どころでなくなった先進国。
この構図もあり、長期的な(2050年ごろの)削減目標では一致を見なかったとのこと。
温室効果ガスの削減は世界的課題であることを考えれば、どの国ももわがままは許されず、責任を持って取り組まなくてはならないと私は考えている。
だから、途上国は今の先進国並みを目指し、先進国は途上国を先導する意味でも今以上に温室効果ガスの削減に取り組めば、お互い文句が出ることもないだろう。

最後に、COP10で議論されるはずの生物多様性の乱れも、温室効果ガス増加などによる地球温暖化をはじめとする、地球環境の変化が間接的に影響しているだろう。
同じCOPの略語で紛らわしい2つの会議・2つのテーマではあるが、実は関連があるのだ。
そのことに気付いている人たちはどれだけいるのだろうか。

真の要求の理解と説得力

記事を2つ紹介。
いずれもITエンジニアに限定したような書き方をしているが、誰にとっても参考になるのでは。

1. 顧客の「真の要求」が分かる技術者を目指せ
http://jibun.atmarkit.co.jp/lskill01/rensai/triz/04/01.html
結局、相手の立場になって物事を考えろ、ということか。
記事の中に書かれているものの中には気になる点はあり(例えば図6の「技術的な実現可能性」の後者2つで、目的を達成するためには複雑だったり不確かだったりする技術であっても使うべき、あるいはそういった技術を確立するための仕事など)、また図3以下の条件をすべて満たすことが現実的に難しい場合もあるだろう。
そういった場合も含め(さすがに相反する条件をどう満たすかまでの戦略には触れられていないが、それは記事の主な論旨とは別の次元にある内容だ)、参考になる点はいろいろある。
記事後半の

  • 日常の仕事の中に何か問題がないか、気付きや思いつきでよいからアイデアを書き残す
  • 何かを見たとき、それが「誰のため」か、「何のため」かを考える
  • 「何が究極の理想解なのか」「どうすれば理想に近づけるのか」、思い浮かんだことを書き留める
も大切か。
特に2番目は「相手の立場になって物事を考える」ことの大切さ、3番目は究極・完璧に近づけため努力することの大切さにも通じているのではないだろうか。

2. 相手にYesといわせる説得力
http://jibun.atmarkit.co.jp/lskill01/rensai/bizcom/04/03.html
こちらの感想としては、どうすればYesと言わせられるか、相手の立場になって物事を考えることが重要なのかもしれない、ということか。
「説得力チェック」にある項目はどれも当たり前の内容かもしれないが、私は単に意識しているだけで、行動に移せていない点がいろいろあったので、戒めとして使うにもよい内容か。
最後には、「事前に○○する」といったことがいくつか並んでいる。
結局は事前の準備や確認がモノをいうのだろう。
もっとも、「予想される相手からの質問への回答を準備」することはよいとは思うが、想定外のことは起こりうるので、事前の準備や確認を漏れなくきちんとできるようにするだけでなく、臨機応変さを身に付けることも大切か。

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