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クルマ離れの理由はケイタイ

夜遅くに車の中で聴いたラジオ番組で、面白いことが話されていた。
以下はその内容を元にしたもの。

まだ携帯電話がメールすら出来ない代物で、しかも高価で普及していなかった頃(バブル経済のあたりまでか)。
カノジョ(カレシ)と連絡を取る方法は電話だけ。
相手の家へ電話をするとき、親が出てこないかどきどきしていたという。
ケイタイで簡単に連絡が取れる今ではない緊張感である。
その頃のデートの誘い文句は「ドライブしない?」が多く、クルマは2人にとって大切なプライベート空間。
その中で聴くラジオや自分のお気に入りの曲を選んで編集したカセットテープが、2人をつなき、結んでいた。
今若者へクルマが売れていないのは、ケイタイの普及により上のようなことが起こらないからだという。
だから、ラジオを聴いていてなるほど、と思った。

ちょっと脱線。
バブルの頃はiPodはおろか、MDすら出ていないので、カセットテープの編集も一苦労。
カーCDチェンジャーはあっても高価。
同時期はミニコンポがフルセットで20万円オーバーなんてものもざらにあったようだが、それでも売れたのは家でのカセットテープ編集の需要があったからだろう。

バブル当時人気のクルマは、ソアラ(今のレクサスSC430)などのクーペ。
ソアラは当時の女子大生にも人気だったようだ。
そしてクーペやスポーツカーはいうに及ばず、それ以外のクルマでもバブル時代の頃までは「走る・曲がる・止まる」という、車の基本性能を競い合っていたという。
事実、バブル時代の頃には上のソアラのほか、シルビアがヒットし、スカイラインGT-Rが復活、高価なMRのスポーツカー・NSXもオーダーが殺到していたという。
市販車初の(そして現在唯一の)3ローターのロータリーエンジンを搭載したユーノス・コスモも登場したのも、バブル時代である。

一方で、性能向上競争の過熱化を防ぎ交通事故を減らすという名目があったかどうか定かではないが、一部で悪名高き、エンジンの280ps自主規制もバブルの頃から始まる(2004年に300psのレジェンドが出るまで続く)。
280psというのは、1989年に発売された新型フェアレディZ(Z32)の最高馬力だったという。
このような状況なので、当時の20代~30代はクルマに関心を持つのは自然な流れだったようだ。

若者がクルマに目を向けなくなった理由としては、携帯電話へ興味が移ったことのほか、所得が伸びず携帯電話料金の支払で四苦八苦している、というものがある。
ただ、後者は上と絡めた説明がいる。
ここ10年、給与の伸びは低く、お金に余裕がある人は限られつつある。
ただ、携帯電話料金の支払はせいぜい月2万円ほどだろう(これ以上はかなりのヘビーユーザでは)。
地方都市では、クルマを持つに当たり、ガソリン代、ローンの支払、税金はともかく、駐車場代が都市部よりは安く、月数千円でよい。
それでも、携帯電話が普及していない時代も同じくらいの負担だと思っている(裏づけを取っていない)。
まして首都圏など大都市圏では、クルマの維持費は昔も今も数万円をざらに越えるのではないか(23区内なら駐車場代だけで2万円以上は当たり前)。
昔には月々の負担が重くてもクルマに乗っていた人はいたであろうという点を考えると、やはり20代や30代の興味が携帯電話に移ったというのが一番説得力がありそうだ。

以前にも書いたが、20代にクルマを売るためには「本当の意味で運転する楽しさを味わえる車を、安価で売る」べきというのが、私の主張だ。
上で書いたように携帯電話へ興味が移った状況だからこそ、同じ機械に触るのであっても、人とクルマが一体になって運転する喜びを感じ取るという、携帯電話の操作では楽しめないことの重視こそが大切なのだ。
「ミニバンなどの快適でウケのいいクルマばかり造る」ことや「市場のウケを狙うことばかり考え、運転する楽しさなどクルマづくりの肝には力を入れない」ことではない。
このことを改めて書いておく。

PS オートバイならさしずめ「人とバイクが一体になって運転する喜び」か

参考
・トヨタの赤字のツケは非正規雇用者へ
http://danpaleta.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/post-8ccb.html
・20代にクルマを売るために本当にすべきこと
http://danpaleta.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/20-fdb4.html

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