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臨床研修見直しを考える

・医師研修見直し―良医を増やすためにこそ(朝日)
http://www.asahi.com/paper/editorial20090220.html
・臨床研修見直し 医師不足の主因を見誤るな (読売)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090219-OYT1T01129.htm
・臨床研修見直し 幅広く声を聞き拙速は避けよ(毎日)
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090220ddm005070062000c.html
・臨床研修見直し 医師不足の解決になるか(産経)
http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/090220/sty0902200229000-n1.htm

2004年に研修医が自由に研修先を選べるように制度を改正してから、5年が経とうとしている。
「多くの診療科をローテートすることで、研修医の基本的な診療能力に一定の向上が見られるなど、全体として制度の基本理念が実現されつつある」(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/02/dl/s0218-6a.pdf)など、よい面も出ているようだ。
一方、制度改正以降、都市部にあり、高いレベルの研修が期待できる病院への研修希望が殺到した。
その結果、出身大学の病院に残る研修医が減り、それが医師不足の原因を招いたといわれている。
今回の臨床研修見直し案では、そういった状況を変えるべく、必須の受講分野の見直し、大学病院への研修医派遣を優先させる、などがうたわれている。

臨床研修見直し案は本来、医師の教育の質を高めるために行うものだ、という指摘はもっともだ。
だが、上の案では医師不足解消のために見直すという魂胆が透けて見える。
現行の研修制度は「大学の医局を中心とした臨床研修が専門分野に偏りがちだったという反省から、幅広い診療能力をもつ医師を育てようと始まったもの」(朝日)なので、その理念を曲げることはしてはならない。
もちろん、医師不足の解消はすぐに取り組まなくてはいけないし、都市部への研修医集中も問題である。
そして、「現行制度は、結果的に、医師不足現象に拍車をかけてもいる」(読売)という指摘もあるのが現実だ。
「研修のあり方を見直せば、直ちに医師不足が解消できるというほど単純な問題ではない」(毎日)だけに、「若手医師の教育という目的とどう調和させるか」(産経)が重要だろう。

いずれにしても、臨床研修の見直しは医師の教育という観点で行うべきことであるが、一方で医師不足といった、臨床研修に絡むほかの問題もある。
それぞれを単独で議論して何とかなる問題ではなく、広い視野で物事を考えなくてはいけないのが現実だが、物事の本質を見失ってはいけない。
医師不足といっても、小児科医や産婦人科医など特定分野の医師が不足している問題もあれば、過疎地における医師不足という問題もある。
さまざまな問題に共通している本質は何か、またそれぞれの問題固有の本質があるのかなど、深く掘り下げて考えなくてはいけない。
何よりも時間は有限であり、だらだらと問題に取り組んではならない。
難しい問題だけに、英知を結集する必要がある。

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