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ドコモがブランド変更で失ったもの

たまたまこんなblog記事を見つけた。

・DoCoMoどうした?
http://designist.net/blog/archives/2008/08/docomo.html

グッドデザイン賞の審査委員長などを務めた中西元男氏のblog。

「最近のロゴデザインにおける美的品質の低さ、コーポレート・ブランド戦略の喪失、一体どうなっているのでしょう?」で始まり、世界トップ3のブランド力を持つIBMやコカ・コーラと対比し「わが国企業の新ブランド導入や変更を見るに、デザインレベルやロングライフなデザイン力に疑問を抱かざる得ない造形品質が多くなっているのは残念」、「どう見ても変える必要もないのにデザイン変更が行われていると思える事例の新ロゴが散見される現実も、納得できない」と書いている。
そして、ロゴデザインの前提として

  • 企業の使命や存在価値をどこに求めようとしておられるのか?
  • 業種業容イメージをどう表現したいと考えておられるのか?
  • 将来の事業展開方針は盛り込まれているのか?
  • マークやロゴなどに企業のマーケティング&マネジメントのツール(道具)としての役割をどう与えようとしておられるのか?
  • 競合他社とのイメージポジショニング(地と図の関係)をどう築こうとされているのか?
  • 当該企業のDNAは確実に継承されているのか?

の点を挙げ、「歴史的に見ても秀作と呼ばれているデザインやブランドの名品には、優れた造形的完成度とそこから発せられる快い緊張感が醸し出されている」と書いている。

そして、blogの核心部である、自ら(中西氏が設立したPAOS)がかかわったNTTドコモのブランドデザイン変更について述べている。
blogでは、NTTドコモ(DoCoMo)のブランドが決まった経緯、「複数候補提案の中から最も個性的とも言える『DoCoMo』を選ばれた決断には、提案者側であるわれわれも驚きましたし、そのチャレンジ精神に敬意を抱きました」の意見、そのネーミングに負けない「デザイン表現案も極力個性的で先進性に溢れたもの」を出したことが書かれている。
さらに、「DoCoMoとは重要な意味を持つ変革型のフィロソフィブランドであるとの認識を持ち、開発作業にあたった」、「第一に優先されるべきはユーザーであり、通信のインフラ産業としてDoCoMoは何よりも優れた市民企業でなければならないとする視点」についても説明がある。
中西氏の"DoCoMo"に対する思い入れの強さが伝わってくる。
それだけに、「優れたロゴタイプは思想の凝縮」は至言、と前置きした上で、DoCoMoは「ネーミング的にも表現的にも『フィロソフィ・ブランド』であった」、「『いつでも、どこでも、だれとでも』のコミュニケーション新時代をシンボライズ」したのに対し、新デザインは「重要な長期戦略や経営テーマは一体どのように考えられていたのでしょうか」と疑問を投げかけている。
なによりも次の辛らつな3つの文が、すべてを物語っている。
「新ロゴへの変更理由や『新ドコモ宣言』を見ると、『より顧客に近い存在』とか『顧客との絆』『顧客の声をしっかり受け止め』といった、何を今さらというか、1991年当時よりもむしろ時代遅れの言葉が並ぶのには、かなりのオドロキです。これが果たして社会的責任も大きい情報化時代を代表するトップ企業の発信すべきコンセプトでしょうか。なぜ、もっと高邁な精神を頂点とした品格あるアイデンティティを謳い上げられないのでしょうか」
「docomoの場合、それ以上に問題視すべきは、せっかくのフィロソフィブランドでありコーポレートブランドを単なるキャンペーンブランドもしくはセールスブランドへと変更してしまった点にあるのではないでしょうか」
「確かに時代や環境に合わせることは重要ですが、docomoは今日のわが国の課題というか、真の変革を必要としている時代を近視眼的に読み違えたのでしょう。王者はいくらでも王者らしい戦いが出来るはず、存在価値を示せるはずなのにと、15年築き上げたブランド価値損失に走った行為に遺憾の念を禁じ得ません」

NTTドコモのロゴ変更については、私も以前「ドコモがロゴを変更」で取り上げている。
そこで私は「表記をすべて小文字でdocomoとし、色もNTTやそのグループ企業でよく使われる寒色系、特に青系のカラーをメインとせず、赤色を使ったことに驚いた」と書いたが、賛否は書いていなかった。

中西氏の記事だけ読めば、ブランドの変更にあたり当初のブランドの持つ哲学をないがしろにしたようにも受け取れる。
ただ、変更の真意は他にもあるのだろう。
その鍵を解くべく、ドコモの当時のプレスリリース(http://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/page/080418_00.html)を読んでも、これについてはなんともいえない。
ドコモが夏野剛氏いわく「ビジネス的な見地から考えてきた」(http://ascii.jp/elem/000/000/150/150829/)iモードをきっかけに、利益至上主義へ舵を取り、やがて業績が頭打ちとなった現実が、ブランドの変更につながったことは想像に難くない。
そのブランドの変更において、ドコモは変えるべきところと守るべきところを間違えてしまったのかもしれない。
だから、中西氏のように酷評する方もいるともいえる。
そして中西氏の記事を読む限り、ドコモのブランド変更は失敗だったと書かざるを得ない。
一ユーザとしては、ドコモのチャレンジ精神までも失われないことを祈るばかりだ。

PS 上で引用した「夏野剛氏が退社のワケを告白」(http://ascii.jp/elem/000/000/150/150829/)にある、「技術を使うことが目標になっていては最悪。何かをするために技術を持ってくるのが本筋」は賛成できる。これは言い換えれば「手段と目的を履き違えるな」と同義である。ただし、「何かをする」にあたり、過度に利益追求へ焦点を当てると、いずれしっぺ返しを食らうだろう

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