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June 2009

「知的財産推進計画2009」で医療特許は変わるのか

先日、「知的財産推進計画2009」が発表された。


今回の目玉は、医療分野における特許保護の見直しだろう。
iPS細胞の特許問題がクローズアップされる中、日本における医療技術の進展を促すために必要な特許のあり方を、計画を立てた人たちが議論を重ねてきたことは、資料から伝わってくる。
その中で、「先端医療分野の特許保護に係る我が国の取り組むべき課題」において、次の3つの課題を取り上げている。
  1. 審査基準における特許対象の明確化が必要
  2. 特許対象範囲の見直しが必要
  3. 研究者等に対する先端医療特許取得への十分な支援が必要

そしてそれぞれについて、例えば最初は効率的な投薬(DDS: Drug Delivery System)の特許などを示し、わかりやすく課題への取り組みを示している。

今後、医療従事者や医療機器メーカーなどは、上記のあり方を踏まえたうえで、特許や知的財産に対する戦略を考えていく必要があるだろう。
そして、上記に挙げた課題を解決していくことで、医師にも患者にとっても「よりよい医療」の提供が進めば、と考えている。

私は、医療方法特許の功罪で書いたように、「医療方法特許については、欧米など他国の現状も踏まえつつ、医療関係企業のやる気を引き出す申請制度とし、よりよい医療の提供につなげ、医師や患者にとってプラスとすることが大切であろう」という考えを持っていることに変わりない。
その意味では、今回の「知的財産推進計画2009」により、よりよい医療の提供に向けて少しは前進しているのだろう。
今後を注意深く見守りたい。

浦和・フィンケ監督の目指すコンビネーションと「個の力」とのバランス・融合

日本を出なければ未来はないのかで紹介した、大樹や長いものに身を委ねるなの中に、「自力で世界の舞台で戦える「個の力」が、一人ひとりに問われてきます」という一節がある。

しかし、一方で「個の力」に頼らない組織を目指すところもある。
浦和レッズである。
サッカーと実際の社会は異なるが、それでも参考になる点はある。

レッズは昨シーズン終了後、ブンデスリーガのフライブルグ監督を16年務めた、フォルカー・フィンケ氏を監督に迎えた。
ドイツでは数多くのサッカー関係者が「素晴らしい人」と話し、ジェフにオシム氏を招聘した祖母井秀隆・グルノーブル代表も日刊スポーツやNumberの連載やインタビューで「いずれ仕事をしたい」と言わしめたほどの逸材である。

就任から約半年。
以下の「浦和に見えてきたフィンケ改革の成果」にあるように、フィンケ監督は「コンビネーションサッカー」を掲げており、その成果はナビスコ杯決勝トーナメント進出などで現れつつある。
コンビネーションサッカーというのは、字の如くコンビネーションを重視するサッカーで、個人技、つまり「個の力」に頼ってきたここ数年のレッズの戦い方とは違うようである。

個人の力だけではダメ、かといって組織の力だけでもダメ。
そのことをフィンケ監督は伝えようとしているのか。
そして、レッズにおいて「個の力」と「組織力」をどう融合させるか、フィンケ監督は若手の活用という試行錯誤をしながらも答えを見出そうとしている。
しかも、時に日本代表の主力選手やケガの選手を欠くという、厳しい逆風の状況を逆手に取りながら。
その答えは、タイトル奪取という形で現れるだろう。

「個の力」と「組織力」の融合は、サッカーに限らず、バスケットボールなど他のスポーツ、そして学問(研究)やビジネスなど、さまざまな場面で大切なことだ。
ビジネスにおいて、世界を舞台に活躍するには、最初の記事で紹介したように「個の力」が問われるであろう。
だが、個の力だけで何とかなるほど、世界は甘くはないはずだ。
だからこそ、最初の記事の著者である永田氏は、「組織力」の1つである、世界につながる人的ネットワークの重要性を説いているともいえる。

そして何より、「個の力」と「組織力」の融合には、バランス感覚も重要だ。
片一方だけが突出していては、欠点が見えやすくなる。
また状況に応じて、「個の力」と「組織力」の最適なバランスは異なるだろう。
それを見極め、うまく2つの力を伸ばし、活用することも、これからの私たちに求められているのかもしれない。

・[独占インタビュー] フォルカー・フィンケ “ドイツのオシム”は浦和をどう変えるのか。
http://sports.goo.ne.jp/soccer/japan/722/20090212-2-1.html
・攻撃追求“恋人”フィンケ監督に期待
http://www5.nikkansports.com/soccer/ubagai/entry/20090224_75437.html
・浦和に見えてきたフィンケ改革の成果
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/jleague/2009/text/200904060003-spnavi.html
・【新春インタビュー】藤口光紀代表「新生レッズのスタートの年としなければならない」
http://news.livedoor.com/article/detail/4015130/
※肩書きは当時

・ドイツでフィンケ監督の評判を聞きました!
http://www.actiblog.com/kotani/79272
・フィンケ監督のニュースなど浦和に明るい話題が増えてきた!
http://plaza.rakuten.co.jp/hirorotree/diary/200811110000/

日本を出なければ未来はないのか

日本を出よ~留学の必要性と関連した、こんな記事を。

大樹や長いものに身を委ねるな
http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/nagata.cfm?i=20090610cy000cy

簡単な紹介だけ。

表現はソフトだが、じっくり読むと大切なことが書いてある、この文から始まる。
「もはや私たち一人ひとりの競争相手は同じ職場の中や日本人だけにとどまらず、中国人、欧米人、インド人など世界の人たちとなっています。(中略)こうなると所属する国や企業に頼らず、自力で世界の舞台で戦える「個の力」が、一人ひとりに問われてきます。そして、こうした力を持つ人が少ない国や企業は世界から孤立し、忘れられていきます」
今の社会は世界全体が相手であることぐらいわかっている、いちいち書くにも値しない、そう思っている人もいるだろう。
そういう人は、上の記事を読む必要はないだろう。
だが、世界全体が競争相手であることを知らない、あるいは意識できない人たちは、読んでおいたほうがいいだろう。

著者の永田氏は、世界につながる人的ネットワークの重要性を、次のように説いている。
「生の情報を交換し合う人的ネットワークをいかに世界に広げるかが鍵となります。(中略)社内の人間と一席交わしたり、業界人脈づくりや異業種交流会に参加したりでは、しょせん日系企業に勤めるサラリーマン同士の情報交換の場です。外の世界が見えません。つまり、海の向こうにあるチャンスとリスクが見えず、世界の多様な価値観の存在すら気づかない井の中の蛙(かわず)となります。時とともに自分たち(個人・会社・国)の常識が世界の非常識になって孤立します」

そして、受身型ではなく、先を読んで対応することの大切さを述べている。
「日本には政治家や官僚、企業幹部を含め、こうしたグローバルな大局観を持って先取り型の対応をする人が少ないのではないでしょうか。受け身型の「寄らば大樹の陰」を好む姿勢といえます。グローバル化への先取り対応は新しい課題への大きなチャレンジです。リスクが大きくなり、失敗することもあるでしょう。たとえ失敗してもチャレンジは社会から賞賛されるべきです。だが日本ではリスクを取りたがらない、または取っても失敗の後遺症を長年ひきずり再チャレンジしにくい社会環境にあるため、長いものに巻かれたがる人たちも増えるのだと考えます」

「大樹の陰に寄りたがる国や企業の運命は、競争力の低下と衰退です。理由は簡単です。皆が向かっていきたいと思う実現性のある、まともな将来ビジョンが存在しないからです。(中略)そこにはビジョンに向けた強いリーダーシップが当然働きません。日を追うごとにビジョンと実態がかけ離れていきます。この乖離(かいり)が国民や社員の希望と士気をそぎ、国や企業の競争力を失う一方、「言ってもしょうがない。考えてもしょうがない。長いものに巻かれてしまえ」という国民や社員だけが多くなります。そうなると、革新どころか停滞・縮小、負のスパイラルへ突入です」

最後に、「比較的規制に守られ安定した業界の大手企業」へ学生の人気がシフトする中、「何とか今の会社にとどまろうと必死に忍び耐える」勤続10年以上の社員を念頭に、著者はこう述べている。
「これからは安定企業というのは規模にかかわらずどの業界でもなくなります。今からでも遅くありません。大樹の陰に寄らず、世界を直視し、独力で自分を磨き、自らキャリアプランを立て、自らの力を信じて羽ばたいてほしいと……。独力で世界を舞台に戦える人が増えて初めて、日本の将来に再び明るい灯がともると信じています」

この著者も間接的に、「日本を出なければ未来はない」というようなことを説いているのだろう。
ただ、海外で働くことは、あくまでも自己実現のための手段であり、それ自体が目的と化すことはあってはならない。

もっとも、今の世界情勢を考えると、日本を出るにしても、日本にとどまるにしても、茨の道が待っているのかもしれない。
まさに進むも地獄、退くも地獄。
結局は、自分で自分の道を切り開かなくてはいけないのだ。

レイカーズが勝った!!

NBAファイナル、レイカーズが7季ぶりに優勝したらしい。
昨季はセルティクスと名門同士の戦いで、負けてしまった。
今季は相手こそマジックと違うけど、雪辱を晴らせた。
よかった……

レイカーズの試合はほとんど見るチャンスはないのだけれども、結果は出ているから、選手のチームワークがうまくかみ合っているのかな。
特にコービー・ブライアントは、オニール(シャック)が移籍してからNBAファイナルから遠ざかっていたので(上の通り、昨季含めあと一歩で優勝を逃すことがあった)、自分の実力を証明する上でも大切なファイナルだったのかも。

監督のフィル・ジャクソンはなんと10回目の優勝で、NBA記録更新だそうな。
ジャクソン監督は過去に3連覇を3回やっているので、もう1回3連覇してくれないかな。
そうしたら、セルティクスと優勝回数が17回で並ぶんだけどな(追いついたらすごい)。

PS いまさら書いてもしょうがないけど、ペイトンやマローンがいた数年前に、ファイナル制覇出来ていたらな(このとき、最後の最後で負けちゃったんだよね、レイカーズ)……

音楽産業のビジネスモデルを考える

久しぶりに音楽の話題を。

・音楽産業のビジネスモデル研究会 報告書
http://www.meti.go.jp/press/20090527004/20090527004-2.pdf

微妙な表現や気になる箇所は多少あるが、全体としてはよくまとまっているのでは。

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