浦和・フィンケ監督の目指すコンビネーションと「個の力」とのバランス・融合
日本を出なければ未来はないのかで紹介した、大樹や長いものに身を委ねるなの中に、「自力で世界の舞台で戦える「個の力」が、一人ひとりに問われてきます」という一節がある。
しかし、一方で「個の力」に頼らない組織を目指すところもある。
浦和レッズである。
サッカーと実際の社会は異なるが、それでも参考になる点はある。
レッズは昨シーズン終了後、ブンデスリーガのフライブルグ監督を16年務めた、フォルカー・フィンケ氏を監督に迎えた。
ドイツでは数多くのサッカー関係者が「素晴らしい人」と話し、ジェフにオシム氏を招聘した祖母井秀隆・グルノーブル代表も日刊スポーツやNumberの連載やインタビューで「いずれ仕事をしたい」と言わしめたほどの逸材である。
就任から約半年。
以下の「浦和に見えてきたフィンケ改革の成果」にあるように、フィンケ監督は「コンビネーションサッカー」を掲げており、その成果はナビスコ杯決勝トーナメント進出などで現れつつある。
コンビネーションサッカーというのは、字の如くコンビネーションを重視するサッカーで、個人技、つまり「個の力」に頼ってきたここ数年のレッズの戦い方とは違うようである。
個人の力だけではダメ、かといって組織の力だけでもダメ。
そのことをフィンケ監督は伝えようとしているのか。
そして、レッズにおいて「個の力」と「組織力」をどう融合させるか、フィンケ監督は若手の活用という試行錯誤をしながらも答えを見出そうとしている。
しかも、時に日本代表の主力選手やケガの選手を欠くという、厳しい逆風の状況を逆手に取りながら。
その答えは、タイトル奪取という形で現れるだろう。
「個の力」と「組織力」の融合は、サッカーに限らず、バスケットボールなど他のスポーツ、そして学問(研究)やビジネスなど、さまざまな場面で大切なことだ。
ビジネスにおいて、世界を舞台に活躍するには、最初の記事で紹介したように「個の力」が問われるであろう。
だが、個の力だけで何とかなるほど、世界は甘くはないはずだ。
だからこそ、最初の記事の著者である永田氏は、「組織力」の1つである、世界につながる人的ネットワークの重要性を説いているともいえる。
そして何より、「個の力」と「組織力」の融合には、バランス感覚も重要だ。
片一方だけが突出していては、欠点が見えやすくなる。
また状況に応じて、「個の力」と「組織力」の最適なバランスは異なるだろう。
それを見極め、うまく2つの力を伸ばし、活用することも、これからの私たちに求められているのかもしれない。
・[独占インタビュー] フォルカー・フィンケ “ドイツのオシム”は浦和をどう変えるのか。
http://sports.goo.ne.jp/soccer/japan/722/20090212-2-1.html
・攻撃追求“恋人”フィンケ監督に期待
http://www5.nikkansports.com/soccer/ubagai/entry/20090224_75437.html
・浦和に見えてきたフィンケ改革の成果
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/jleague/2009/text/200904060003-spnavi.html
・【新春インタビュー】藤口光紀代表「新生レッズのスタートの年としなければならない」
http://news.livedoor.com/article/detail/4015130/
※肩書きは当時
・ドイツでフィンケ監督の評判を聞きました!
http://www.actiblog.com/kotani/79272
・フィンケ監督のニュースなど浦和に明るい話題が増えてきた!
http://plaza.rakuten.co.jp/hirorotree/diary/200811110000/
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