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October 2010

"これも自分と認めざるをえない"展@21_21 DESIGN SIGHT

21_21 DESIGN SIGHTで開催されている、「"これも自分と認めざるをえない"展」(http://www.2121designsight.jp/program/id/)へ行ってきた。

「"これも自分と認めざるをえない"展」は、11月3日で展示が終わることが関係しているか定かではないが、会場には行列が。
そんなに観るのに時間がかかるのか、と思っていたが、体験型(インタラクティブな)展示が多いことを知り(行く前にちゃんと調べておけよ、というツッコミはなしで)、それも納得。
結局、会場に入るまでに30分ほど待つ。
その間、係の方(学芸員?展示員?)から会場のマップをいただく。
どんな展示かは書いていなかったけど。

上で書いたように、体験型展示が多いので、見るのは時間がかかる。
まず、展示を見始めるまでに時間がかかる。
名前の入力、身長と体重の測定、虹彩の撮影などを行う必要があるからだ(これはパスできるが、一部楽しめない展示も出てくる)。

会場の中は、人が多いことも相まって、見るのも少し疲れる。
ただ、インタラクティブな展示は面白い。
例えば、ゲート上にあるカメラで性別や年齢を認識し、その結果に応じたドアが開き先へ進める、「属性のゲート」。
男女、年齢(29歳未満と30歳以上)、笑顔かどうか、の計3つのゲート、それぞれ2つのドアがあり、どちらか一方(例えば男性なら男性の、女性なら女性のドア)が開く。

画像処理/認識屋(今は「元」が付きそうだけど)の私が気になったのは、「2048」。
これは、音声の案内に従って虹彩をスキャンすると、入口で入力した自分の虹彩の情報を照合し、同じく入口で入力した自分の名前が表示される、というもの。
身長と体重で人物を認識する展示の「属性の積算」という展示があったが、そちらのように2人に1人くらい間違った認識をするのとは異なり、並んでいる間に見た10人~20人くらいは全員的中していたようだ(文末の「参考」を参照)。
認識された自分の虹彩は、0と1が円形に並んでいる形で示される。
なお、内周は小さな字で、外周は大きな字になっている。
きちんと数えていないけど、内周も外周も0と1の数は同じかも。
さらに、画面に表示されているその虹彩の認識結果を、黒板消しのようなもので消すように音声で指示される。
その指示に従って画面を黒板消し(?)でこすると、0や1の情報が削られるが、それでも人物を認識している。
ある程度消すと、「もうあなたではありません」という日本語と英語のアナウンスが流れ、終了する。
虹彩認識は、多少の情報欠落にも強い認識方法のようだ。

あと、(私にとっては今さらだけど、)虹彩は0と1の2値で(つまり画像なら2値画像)、かつ内周と外周は同じビット数で記録されていることを知る(この展示で使われている装置だけかも知れないけど)。
よくあるデジタル画像のように、方眼紙に色をつけるようなやり方だと、虹彩はうまく情報を記録できないのかも。

展示の内容は、期待していたよりも面白かった。

・参考
虹彩の個人識別率は、誤認識率が約10^-6(=10^-4%=0.0001%)であることから計算すると、100%-0.0001%で約99.9999%である。これは、顔認識の精度である99.9%よりも高いとのこと(http://www.cl.cam.ac.uk/~jgd1000/irisrecog.pdf)。

GAPのロゴ変更騒動で得たもの

SPAで有名なGAPが、ロゴを変更したものの大不評で、すぐにクラウドソーシングで新ロゴの募集を呼びかけるもまたまた不評で(参考: http://frozenport.blogspot.com/2010/10/gap-logo.html)、結局元に戻すことに。
- GAP LISTENS TO CUSTOMERS AND WILL KEEP CLASSIC BLUE BOX LOGO
http://www.gapinc.com/public/Media/Press_Releases/med_pr_GapLogoStatement10112010.shtml
- 米GAP、ロゴ変更を断念 ネット上に非難殺到
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/101013/mcb1010130504018-n1.htm

新旧ロゴの比較はこちらから。
http://www.brandchannel.com/forum.asp?bd_id=137
Helveticaのフォントによる"Gap"、その上にうっすらとグラデーションのかかった青い正方形を配置したもので、会社いわく「未来的」とのこと。
また、ロゴ変更の理由は20年以上使ってきたからという。
とはいえ、新ロゴについては「これなら小学生でもデザインできる」、「ブランドイメージが十分定着しているのだからロゴ変更の必要はない」、「GAPのポリシーや進むべき道が見えない」なんて意見もあるようだ。
私はそこまでの意見には至らなかったが、何度も見ていると他の方の指摘のようにカッコ悪く見える点は同意。

この騒動で思い出したことをいくつか。

GAP新ロゴで使われているHelveticaとそのフォントファミリー(ウェイト: 太さの違いやOblique: 斜体の有無を含む)は、日本企業ではTOYOTA, Kawasaki(オートバイなどの), Panasonic(かつてあったNationalも、SL-1200シリーズが有名なTechnicsは別)など、世界ではBMW, Microsoft(一部変形)など、数多くの会社のロゴで使われている(以下参照)。
- 40 Excellent Logos Created with Helvetica
http://www.webdesignerdepot.com/2009/03/40-excellent-logos-created-with-helvetica/
GAPと同じファッション関係では、COMME des GARÇONS(とその派生ブランドのほとんど)やAmerican Apparel(前述の"40 Excellent Logos Created with Helvetica"も参照)のロゴも、GAPと同じHelveticaである。
同じフォントを使いながら、他の会社は特に文句もなく、広く受け入れられているのに、Gapがダメダメだったのは、上で書いた理由以外になにがあるだろうか?

あと、TOYOTAとBMWのロゴのフォントが同じというパターンはひとまず置いておき、今回のGAPのように同業他社と同じフォントを使うのは、イメージが重なるので、個人的には避けるべきと考えるが、どうだろうか。
これは、TOYOTAとNISSANのロゴのフォントが同じ、なんてことがまず考えにくいのと、同じ理屈。

これと関連し、その昔ソニーもロゴを変えようとしたが、結局変更しなかったことを思い出した(http://www-dg.setc.wani.osaka-u.ac.jp/scshp/rogo1.htm)。
稀なケースだけど、こういうこともある。

新GAPのロゴを真似たロゴを作れるサイトも登場。
http://craplogo.me/
ちなみに、これでGapのロゴを生成すると、微妙にオリジナルと違うものが作られる。

その他、ユニクロはGAPを手本にしていると言われ、業態など共通点もあるが、正方形のロゴが用意されている点もGAPと共通。
現在のロゴは佐藤可士和氏によるもので、従来からあったロゴをリファインしている。
ただ、ユニクロは上のようにロゴを並べるとGAPと似ているように思えるが、店の中身はGAPとは違った方向性を持っているようだ。
実際、ユニクロはジル・サンダー氏と組んだブランド・+Jを立ち上げるなど、様々な試みをしている。

ということで、ソニーの例のように、会社のロゴの変更は簡単なようで難しいのかも知れない。
ロゴはコーポレート・アイデンティティやビジュアル・アイデンティティにおける重要な要素であり、まさに会社の顔の1つ。
ブランドイメージが十分定着しているのであれば、ロゴを変更する場合、それなりの覚悟がいるようだ。
また、ロゴは会社のポリシー・姿勢や進むべき道、そして魂を体現すべき。
そんなことを、今回の騒動から考える。

服装に気を使う意味

11月号のGQの特集で、スーツが取り上げられていた。
40万円オーバーのRalph Laurenなどが載っている。
数十万円単位のスーツを着るのが当たり前の、GQの読者層らしい紹介というべきか。

特集には、例えば「成功者のしたたかな計算に学べ。」の記事に書かれている「トップが安物を着ていては、部下も服装に手を抜くし、会社そのものが安く見られる」など、ためになることが色々と書かれている。
服装(ファッション)に気を使うことは、自分を飾ったり、自分(や会社)が安く見られたりしないようにするためだけでなく、それ以上に相手(お客さん)に対し礼を尽くし、文字通り失礼のないようにするため、そして相手を引き立てるために必要なことだからだ。
ヨーロッパでは、仕事をお願いするときに、相手の服装も見るという。
いい服装であれば、その人はお金をもたらしてくれそう、というのが理由だ。
また、あまりに服に気を使わないことで、自分が低く見られるのは損である。

ファッションは自分を写す鏡である。
また、正しいマナーで正しい着こなしをすることも含め、ファッションに気をくばることは、相手を配慮したり敬意を払ったりするためにも必要なことでもある。
葬式に明るい服を着るといった、場違いな、あるいは空気を読まない服を来ている人は、マナーを守らない礼儀知らずの非常識で、かつ身勝手な人と見られるだろう。
勝間和代が「ファッションは自分のためでなく相手のためということが分かった」とスピーチしたら審査員に笑われた、というエピソードが新聞に載っていたが、まさにそのとおりである。

そのほか、流行にとらわれすぎたり、あまりに見た目がみすぼらしすぎたりするのもいけない。
もちろん、いい服を着ているからと言って、中身がそれに伴っていないと、見栄を張っているだけで、かえって見苦しい。
「あの人は、流行に流され、自分が確立されていない。信用・信頼に値しない」「あの人は似合いもしないくせにブランド品に身を包む、格好だけの人。金で見た目を買っているだけで、中身がない」と見透かされるときの、自分の虚しさを想像してみるといい。

TPOも重要になる。
例えば、高い服装では敷居の高さも感じてさせてしまう場合、そこはケースバイケースで対応が必要だろう。
また、IT企業の中には、私服を着るのが文化というところもあるので(スーツを着てコーディングするのは大変なのだ)、そこもケースバイケースが必要だろう。
ただし、その私服も、安いものばかり着たり、シルエットや色合い、組み合わせなどに無頓着だったり、ということがないようにしたい。

他に私の経験から書けるのは、いい服を着ることで、それに見合った仕事をしなければ、と思うようになることである。
自分の身の丈に合った範囲で良い服を買うことで、身も心も引き締まるからだ。

ファッションにお金を掛ける必要は全くない。
だがファッションは、自分ではなく、他人のためにするもの。
これらを肝に命じ、ファッションといううわべにとらわれるのではなく、その下に隠れる見えないものをしっかりと捉えたいと、私は思う。

ソフトウェア開発は1人から?複数で?

「ソフトウェア」「システム」を作るとき、小さいものであれば、ひとりのほうが早いという主張がある。
他人にお願いすると、仕様を書いてもそれを理解してくれるかどうかわからない、などの理由が根拠にあるだろう。
優秀な人にお願いすればいいかも知れないが、見つかるかどうか、見つかっても引き受けてくれるかどうかは別の問題である。
他人の協力を引き出したいのであれば、まず自分で作り、ある程度出来上がったり自分の手で負えなくなったりした時点でお願いすればいい、と考える人もいるだろう。
ある程度まとまった時点で、オープンソースにして協力を仰ぐという方法もある。
オープンソースにする予定のないアプリケーションでは無理だろうけど。

一方、裏を返せば、大規模なシステムを創り上げるには、1人の力では限界がある。
巨大なオークションサイト、大企業の社内情報システムなど、一から構築しようとなるとまず無理だろう。
既存パッケージをカスタマイズするのであれば1人でもできないことはないだろうが、データベースのエンジン本体のように、その既存パッケージそのものを作ることは厳しい(Oracleと同じ機能だとどれだけの時間がかかるだろう。MySQLなどオープンソースのものはあるけど、仮に1人で開発を開始したとして現時点でも1人で開発しているとは思えない)。
いくつかの既存パッケージを組み合わせる、なんてことになると、それぞれのパッケージそのものを作ることはもっと大変になるはずだ。

とはいえ、多くの人が必要になるという状況で、「仕様書がきちんとしているならば、コーディングをする人はだれでもいい」といった考えは、一歩間違うとITゼネコンの跳梁跋扈を許すことにつながるのだろう。

「下手の考え休みに似たり」というから、あれこれ考えるよりも自分で手を動かす(コーディングする)のが、ドッグイヤーでコモディティ化が進む(難しい技術は共通化され、中身を知らなくても使える)現代では大切な事か。
あとはコーディングのスピードも重要である。
セキュリティなどを含む信頼性が欠けたり、バグが多かったりしても、β版という免罪符を付けてまず世の中に出していかないと、先を越される。
このような考えがあるのもまた確かだ。
だからといって、コーディングは早いけど不正確で行き当たりばったりだったり、あまりに殻に閉じこもってコミュニケーションを取らなかったりは良くない。

自らコーディングするとともに、コミュニケーションも怠らず、技術を積極的にキャッチアップすることが、現代では重要である。

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