音楽

1Q84と平均律クラヴィーア曲集、Octavariumの意外な関係

200万部を超える売れ行きを見せる、村上春樹の「1Q84」。
Book 1と2ともに、2人の主人公「青豆」と「天吾」の物語が交互に展開する24章の構成である。
【『1Q84』への30年】村上春樹氏インタビュー村上春樹氏:「1Q84」を語る 単独インタビューによると、この構成はバッハの「平均律クラヴィーア曲集」(Das Wohltemperirte Clavier / The Well-tempered Clavier)のフォーマットにしたがっているとのことである。

「平均律クラヴィーア曲集」は全2巻で、ハ長調(C Major)から順に長調と短調の曲が繰り返されるのが特徴である。
「1Q84」では、「平均律クラヴィーア曲集」での長調と短調をそれぞれ「青豆」と「天吾」に置き換えることで、フォーマットに則っている。
また、「1Q84」が2巻構成なのも、「平均律クラヴィーア曲集」が全2巻であることに対応している。
村上氏はそれを踏まえ、「もともと2巻で完結」と考えていたようだ。
私は最初このことに気付かず、「1Q84」は上下巻ではなくBook 1/2とつけていること、また1巻が3ヶ月分のストーリーに対応していることから、将来Book 3と4が出て、それぞれ10月~12月、1月~3月の物語になるとばかり予想していた。
今となっては、Book 3が出るという予想は当たっているが、その根拠は外れであったようだ。
Book 4にいたっては、出るかどうかもわからない(上記記事を読む限り、村上氏はBook 4を出すという発言はしていないが、Book 3で完結とも発言していない)。

Book 2で「青豆」と「天吾」の共通点、そして巻末で物語の終わりを暗示するような記述がある。
インタビュー記事のように、もともと2巻で終わるという想定で書かれたであろう「1Q84」だが、Book 3ではどうなるのか。
また、「リトル・ピープル」を知る手がかりが出てくるのか。
一読者として注目したい。

さて、「1Q84」の構成のモチーフとなった「平均律クラヴィーア曲集」であるが、この曲集(の構成)を見て思い出したのが、2005年にリリースされたDream Theater(ドリーム・シアター)の8枚目のアルバム"Octavarium"(オクタヴァリウム)である。
このアルバムは、私も過去にblogで取り上げたことがある(参考: 何度聞いても奥が深いOctavarium)。

Octavariumに収録された全8曲は、キー(調)がすべてマイナー(短調)であり、1曲目の"The Root of All Evil"から順にF minor(ヘ短調)を根音(root)として順に1音ずつ上がっていく。
また、4曲目と5曲目、7曲目と8曲目の間を除き、曲間に間奏があり、これらのキーはF# minor(嬰へ短調)から順に上がって行く。
これらのキーの関係は、ピアノの鍵盤を表しているともいえる(曲が白鍵盤、間奏が黒鍵盤に相当する。裏ジャケットにはメンバーの顔写真とともにピアノの鍵盤が描かれていることに加え、表のジャケットには球体の集まり(ニュートンのゆりかご)と鳥がピアノの鍵盤を想起させるような関係で配置されている)ほか、C(ド)からB(シ)まですべての音階、およびすべての短調(もしくは長調)の関係を表している、と見ることもできる。
この点は、収録された各曲の調がすべての調(長調/短調)を網羅している「平均律クラヴィーア曲集」にも通じるだろう。
以上から考えると、あくまでも推測だが、Dream Theaterのメンバーは平均律クラヴィーア曲集を参考にして、Octavariumのコンセプトを練り上げたのかもしれない。
ただし、Octavariumの場合、コンセプトの中にフィボナッチ数列も絡んでいる点が、平均律クラヴィーア曲集とは異なるが(Wikipediaの記事に詳しい)。

「平均律クラヴィーア曲集」では、どの曲もプレリュードとフーガの2部構成となっており、演奏時間については多くは10分以内(長くても12分弱)であるのに対し、Octavariumは10分を超える曲が2曲(全体の1/4)という構成になる。
合計の曲の長さがまちまちという点は、両者に共通しているようだ。

もっとも、村上春樹氏は、Dream Theaterなんて見たことはおろか、聴いたこともないのだろうけれど……

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音楽産業のビジネスモデルを考える

久しぶりに音楽の話題を。

・音楽産業のビジネスモデル研究会 報告書
http://www.meti.go.jp/press/20090527004/20090527004-2.pdf

微妙な表現や気になる箇所は多少あるが、全体としてはよくまとまっているのでは。

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ベスト盤乱発と音楽配信

DL販売の弊害!? レコード会社が「ベスト盤」を乱発する裏事情
http://news.livedoor.com/article/detail/4028066/

「(ベスト盤ではない普通の)アルバムをじっくり楽しむのが本筋だ」はもっとも。
とはいえ、ベスト盤がアーティストへの入り口になるのも確か。
私もベスト盤に収録されている曲のオリジナルアルバムを買っていった、ということも何度かある。

私が去年買ったアルバムの半分以上は普通のもので、ベストは数枚。
でも、昔は逆に半分以上がベストだった、なんてことも。
だから、私はベスト盤ばかり買うな、っていえない。

ベスト盤は、デビュー○周年、バンドのメンバーチェンジや活動休止/解散、レコード会社との契約満了/移籍に伴う契約の消化(契約にあたり、ベスト盤をリリースしなければならない、というような条文を設けることがあるらしい。未確認)、レコード会社の売り上げ確保のため、不振のアーティストを浮上させるきっかけを作る、等のタイミングで出るようだ。
これらに当てはまらなくても、「長い間ベスト盤を出していないな」というアーティストの判断で出ることもあるみたいだけど、実は上を隠す口実かも知れないし、よくわからない。
記事で問題にしているのは、契約の縛りはともかく、アーティストの意向を無視したベスト盤乱発のことだろう。
個人的には、一つのアーティストのベスト盤は(アルバムを出す頻度によるが)10年に1回のペースで十分だと思うのだけど……

あと、1曲から買える音楽配信の台頭も、記事で指摘している。

私は、音楽配信はめったに使わない(RadioheadのIn Rainbows全曲を無料でダウンロードしたのが唯一)。
データを非可逆圧縮しているので音質がよくない(高音質のものもあるが、わずか)、歌詞カードや、クラシックなど歌がなかったり少なかったりするジャンルや洋楽なら解説を読む楽しさがない、そしてアルバムのジャケットを持つ喜びや、CDをプレイヤーにセットして聴く緊張感がダウンロードでは決して楽しめないからだ(ジャケット写真や歌詞については、最近はダウンロードでも何らかの電子データで提供しているものがあるらしい)。
ここでもアナクロ(時代錯誤)上等。
最近ではiTunes Storeでしか手に入らない曲がざらにあるので、もう少し目を向けなきゃ、とは思うのだが……

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Dream Theater武道館ライヴレポート

1月15日に行われた、Dream Theaterの武道館ライブに初参戦。
バンドにとって、武道館でのライヴはこれが2回目。
最初に行われた2004年のライヴの模様はDVD化されており、コンサートへ行けなかった私も見た。
映像と音を見聞きした限り、ヴォーカルのジェイムズ・ラブリエの声の調子があまりよくないな、という印象だったが、今回は果たして?

会場に入る。
私は2階席。
さすがにチケットは完売しなかったらしく、当日券も売られていたほどだ。
そのせいか、2階の東西ブロックの席は前方のほうにしか人がいなかった。
音楽が音楽だけに男性客が多そうだと私は思ったが、予想よりも女性客多し(カップルで来ていたのも含め)。
Dream Theaterの音楽が幅広く受け入れられているのかな?

今回は2部構成。
雑誌のインタビューでバンド(立ち読みだったので答えたのが誰か忘れた)が「2部構成にする」と答えていた通り。
ステージには、Systematic Chaosの限定版ジャケットにある信号機がぶら下がっていた。

(ライヴの模様)

最新作・Systematic Chaos収録のConstant motionで幕を開ける。
オープニングらしい選曲だ。
その後もステージの大型スクリーンの映像を交えつつ、ライヴが進行していく。
ラブリエの声は全体的によく出ており、武道館ライヴのDVDと比べ、その差は明らか。
ジョン・ペトルーシのギターは冴え、マイク・ポートノイのドラムの音はずしりと響き渡る。
キーボードのジョーダン・ルーデスは、時折ワイヤレスのショルダー・キーボードを持ってステージの前に立ち、演奏を盛り上げる。
ベースのジョン・マイアングは縁の下の力持ちに徹するも、存在感は相変わらず。
このように、メンバー全員確かなテクニックを惜しげもなく披露。
途中、ステージの大型スクリーンで、バンドのメンバーが登場するアニメが写っていたが(The dark eternal nightの時?)、少しだけ映像と音楽がシンクロしていたのはよかった。

15分の休憩を挟み、第2部へ。
ポートノイがニューヨーク・ニックスのユニフォームに着替えていた。
ポートノイのユニフォームにあった背番号は11で、現在はジャメール・クロフォードが使用している。

再開後初めて演奏されたIn the presense of enemyは、Systematic Chaosでは2曲に分けられていたけど、ライヴでは続けて演奏。
ちなみに、2曲のCDで表示される演奏時間を単純に足すと、約25分。
結構な長さだが、ライヴではその時間の長さを感じさせない。
この曲の前半はキーボードとギターが高速フレーズをユニゾンするが、ライヴで見るとやっぱりすごい。
ルーデスとペトルーシのテクニックに圧倒される。

アンコールのメドレーのTrial of tearsのBメロで``On the streets of New York city''というフレーズがあるが、そこでNew YorkをTokyoと言い換えていたのがほほえましい。
観客も大喜び(笑)
また、メドレーの曲がいずれもアルバムの最後の曲だということに気付き、In the name of Godを演奏したあたりで「最後はOctavariumで締めるかな」と思っていたら、そのとおりになった。
それにしても、Octavariumはエンディングにふさわしい。
Octavariumは個人的に好きな曲の1つなので、メドレーとはいえ演奏してくれたことはうれしかった。

(全体を通して)

少なくともアリーナ席の観客の多くは立っているように見えたが、2階席は意外と座っている人が多かった(1階席はよくわからず)。
私はずっと立ちっぱなしだったけど。
もっとも、座ってじっくり聴くのもありで、ライヴの楽しみ方は人それぞれ。

また、ラブリエは体調が悪かったとの情報もあるようだが、それでも十分満足できた。
仮に体調が悪かったとしても、あれだけ声が出せればすごい。
他のメンバーはといえば、ルーデスがForsakenのイントロをミスする、ポートノイがIn the presense of enemyの演奏でテンポがずれるミスをなどがあったらしく(他の方のblogの記事を読んで知りました。私は気付きませんでした)、演奏の正確さという面では問題があったのかもしれない。

マイアングのベースがやや聴き取りづらい(1曲目終了後バンドのローディに何か訴えていたという情報もあり)、時々音が割れて聴こえる、といったことはあったものの、全体の音のバランスはまずまず。
武道館は文字通り武道のための館で、コンサート会場としては作られていない(音響バランスなど)。
また、バンド側も前回の武道館公演でノウハウが蓄積されているのかも。

最新作・Systematic Chaosからの曲は、基本的にアルバムどおりのアレンジで演奏。
一方、過去の曲はアレンジを加えて演奏することも。
ただ、Take the timeなど一部の曲は、ジョーダン・ルーデスがオリジナルのキーボードフレーズとは違う演奏をしていたこともあり、なるべく原曲どおり演奏して欲しかった、との声も。
アレンジが素晴らしければこういった批判も少ないのだろうけど。
このように、ライヴで原曲が再現されるのを聴きたい、という意見もあるし、曲によっては私もそう感じることもある。
個人的には、ライヴでは原曲どおりのアレンジだけでなく、独自のアレンジを加えてもよいのではと思う。
アルバム収録どおりのアレンジばかりで演奏するのはつまらなく、それなら普通にアルバムを聴いたほうがいいのでは、と感じるからだ。
もっとも、最後にどう演奏するかを決めるのはバンドなので、それを楽しめばいいし、逆にどう演奏してくれるかという期待を持ちながらライヴを待つのも醍醐味だろう。

巷の意見では「重い曲ばかりだ」「長い曲ばかりだ」「あの曲やれ」「この曲やってほしい」「ソウル公演と同じセットリストでひねりがない」などいろいろあるようだ。
私も選曲には不満がないと書けば、嘘になる。
しかし、観客の好みは十人十色だし、Dream Theaterに限らずどのグループでも全観客を満足させるセットリストでライヴをすることなど不可能に近い。
おまけに、誰か一人のためにライヴをしているわけでもないのだ。
だから、コンサートのたびとはいえ、バンド側も選曲はきっと大変だっただろう。
それゆえ、バンドは少しでも観客を満足させようということで、妥協の産物としてアンコールをメドレーにしたのだと捉えたい。
個人的には、アルバムの最後の曲ばかりというメドレーは面白いと思った。

(セットリスト)

第1部
Constant motion
Never enough
Surrounded
The dark eternal night
Lines in the sand
Forsaken
The ministry of lost souls

休憩 (Intermission)

第2部
In the presense of enemy (Pt 1&2)
Home
Misunderstood
Take the time

アンコール
メドレー (Shmedley wilcox)
Leaning to live
Finally free
Trial of tears (I. its raining)
In the name of God
Octavarium (V. Razor's edge)

なお、このセットリストは今年1月のソウル公演のものと同一とのこと。

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最近買ったアルバム

Dream TheaterのSystematic ChaosとBon JoviのLost Highwayの2つのアルバムを購入。

Systematic Chaosは、Train of Thoughtのようなヘヴィな雰囲気の曲を中心に、メロディアスな雰囲気の曲も共存しているアルバム。
「過去のDream Theaterの作品を聞いていないと楽しめない」というような意見があるが、一理あるか。

Lost Highwayは、カントリーの影響もあるのか、2000年以降の作品と比較すればいい意味でヘヴィさが抑えられ、全体的に聞きやすいアルバム。
聞きやすさという点は過去のアルバムから継承されているし、かといってまったく変化や進歩がないわけではない。
飽きずに聞けるかも。

2作ともDVD付きのを買ったが、肝心の(?)DVDはまだ見ていない。
なお、Systematic Chaosは通常盤(DVDなし)とDVDありでジャケットが異なる。

ここまで書いたが、解説(いずれも伊藤政則氏執筆)などに書かれていることとあまり変わっていないかも。

というわけで、詳細なレビューは別の記事で書く予定。

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Systematic Chaosの新情報

気がつくと、(アメリカの)14日付でDream Theaterの公式サイトに新作``Systematic Chaos''の新情報が掲載されていた。
http://dreamtheater.net/news_dreamtheater.php##releaseinfo

発売は6月6日(日本の予定)。
前作``Octavarium''も6月はじめの発売だったので、ほぼ2年ぶりの新作となる。

``Systematic Chaos''のジャケット画像は、携帯でしか見れなかった。
このときは、タイトルどおり「体系化された混沌」を示すような高速道路みたいなのが描かれているな、くらいにしか思っていなかった。
しかし、もっと高い解像度の画像を見ると、アリが何匹か描かれていて、印象が少し変わった。
なお、ジャケットの画像はDVD付き盤と通常盤とで変わるようだ。
また、この作品には「25分の曲がある」という情報があったが、これは「In The Presence of Enemies」のことのようだ(Pt.1とPt.2に分割されているが)。

あと1ヶ月半以上あるけど、待ちきれない。

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Dream Theaterの9thアルバム? その後

  • タイトルはSystematic Chaos
  • 全8曲
  • バンドはロードランナーと契約締結(ここからリリース)
  • 6月発売予定?
詳細はhttp://en.wikipedia.org/wiki/Systematic_Chaos(まだ出ていない作品なのに、もう百科事典の項目が作られている……)

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Dream Theaterの9thアルバム?

(追記・修正 2007/2/2)

情報はmixiのDream Theaterコミュより。

http://www.myspace.com/soundscape50

NEW DT OR WHATEVER? の曲です。
なんとなくだけど、この曲には``The glass prison''、``This dying soul''、``The root of all evil''のモチーフらしきものがある。
最後はドラゴンクエストのレベルアップの音楽?
それにしてもこの方、どこからこの音源を入手したんでしょうね。

なお、9thアルバムのレコーディングは終了しているなど、いろいろな情報が。
新譜が出るのも間近、と思ったけど、レコード会社移籍などでドタバタしてリリースが遅れるのは勘弁。

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感想 - Iron Maiden / A Matter of Life and Death

ヘヴィ・メタルの大御所の1つ、Iron Maidenが久しぶりの新譜。
バンド名だけで思わず買う。

(ジャケット)
Iron Maidenのアルバムジャケットにはおなじみの、エディ・ザ・ヘッドはもちろん健在。
今回は戦車の上。姿は小さいが。

(全体の印象)
6人体制となってからの最初のアルバム・Brave New World以降の音楽性、例えばギタリスト3人体制がもたらした分厚いギターなどをそのまま引き継いでいる。
The X Factor以降、隠し味にシンセ/ストリングスを使うことが多くなった気がするが、それも同様。
ヴォーカルのブルース・ディッキンソンも年齢を感じさせず、力強いヴォーカルを聴かせる。

一方で、A Matter of Life and Deathでは全体的に長い曲が増えている。
その証拠に、10曲で約72分(1曲平均7分以上)と、Dream Theaterほどではないが平均が長め。
テンポだが、少しゆっくり目の割りに疾走感があるのは、緩急をうまくつけているからか。
(解説によれば、レコーディングに当たり、想定より遅いテンポになってしまったレコーディング予定曲が収録された個人練習用CDを使って各メンバーは練習してしまったが、そちらの方がよかったため、予定よりもテンポを下げることにしたようだ)
ジャケットに戦車が描かれているように、今回は戦争をテーマにしたり``war''(戦争)が歌詞に含まれる曲が多い。

Iron Maidenは、ヘヴィ・メタルの枠を外れずに守る一方で、極端ではないが少しずつ自分たちの音楽性を変えていった。
そのことが良くわかるアルバム。
# そういう意味では、ジャンルこそぜんぜん違うが、サザンオールスターズとIron Maidenはある意味似ていると思う。両者とも今でも音楽シーンの前線に立ち、メンバーが若くないにもかかわらず若いファンも獲得し続けていると感じるからだ

Iron Maidenを良く聴く人たちにとっては、期待を裏切らないアルバムに仕上がったという印象。
ただ、上で書いたように曲が長めなので、Iron Maiden初心者には不向きかも。

ちなみに、Iron Maidenは日本武道館を含む来日公演を予定している。

(各曲一言感想)
1. Different World
最初の曲にふさわしい、へヴィな曲。Iron Maidenの持ち味が生きている
2, These Colours Don't Run
緩急のつけ方が見事な曲で、テンポの割にスピード感がある
3. Brighter Than a Thousand Suns
ゆっくり目の曲で、曲も長め。中盤のブルースの歌がパワフル
4. The Pilgrim
全体的にパワフルな曲で、この曲も緩急がうまく付いている
5. The Longest Day
ミドルテンポでヘヴィかつ長め。トリプルギターの作る分厚い音も注目
6. Out of the Shadows
バラード。この曲もトリプルギター(後半部分)が生きている
7. The Recarnation of Benjamin Breeg
自分の罪が原因で呪われた男についての曲で、テンポはゆっくり目。曲は長さの割りにそれほど複雑ではない
8. For the Grater Good of God
9分半近い曲で、テンポがめまぐるしく変わり、構成も複雑。ギターソロもたっぷり聴ける。歌詞のテーマも重い
9. Lord of Light
この曲もテンポが何度も変わり、緩急がある構成
10. The Legacy
前半はアコースティックギターを前面に出し、後半はそれほど早くないテンポだがヘヴィ。8曲目ほど複雑ではないが、9分半近い大曲らしい構成

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感想 - Dream Theater / Score

(追記・修正: 2006/9/10)

入手したのはDVDのみ。
初回特典のあるCDも欲しいけど、DVDがあればCDがなくても大丈夫だろう、と買わず。
# 他にもIron Maidenの新譜やらなにやらでいろいろお金を使ったので、ちょっと財布が……、というのもあるが

サブタイトルに``20th Anniversary World Tour''とあるように、Dream Theater結成20周年に伴うツアーの最終日の講演を収録。
この最終日は、ニューヨークのRadio City Music Hallでオーケストラと共演している。
HR/HMのバンドでオーケストラと共演したのは、過去にMetallicaやScorpionsなどがあり、珍しくはない。
とはいうものの、Dream Theaterが晴れてその仲間入りを果たしたことを知ったとき、どういう演奏をしたのか、とても興味があった。
今回、``Score''を買ったのも、そういう衝動からだった。

曲順も見事。
後半のオーケストラ(名づけてオクタヴァリウム・オーケストラ)との共演では、Six Degrees of Inner TurbulenceやOctavariumなど、ストリングスやオーケストレーションをフィーチャーした曲を5曲演奏。
アンコールはMetropoliceをオーケストラと共に。
曲目は、最新作Octavariumからの曲を中心に、過去8枚のオリジナルアルバムから基本的にもれなく、かつ幅広く選ばれ、特に筋金入りのファンにはたまらない選曲だろう
(逆に、私のようにアルバム全部やレアな音源を持っていない人には厳しいが、聴いていないほうが悪いから仕方ない)。

DVDの音声は、ドルビーデジタル(5.1ch)とステレオリニアPCM(2ch)。
特にリニアPCMは48kHz/16bitと、CD(44,1kHz/16bit)よりも少し高音質。
ライヴ・アット・武道館のときはドルビーデジタル(5.1ch/2ch)だったので、個人的に音質にこだわったところには感激。

ライヴ・アット・武道館にはなかった解説もDVDについている。
CDの解説と同内容かどうかは不明。
ただし、DVDにはCDのように歌詞と対訳はないので注意(逆に、解説以外に歌詞と対訳もついていることが日本盤CDを買うメリットなのだろう)。

ライヴの醍醐味の1つとして、1つの曲を演奏するにしてもライヴのたびに演奏が異なり、またオリジナルとは違ったアレンジを加えることで、スタジオレコーディングされたオリジナルの演奏とは違ったものが発見できる点があると思う。
その点を中心に、1枚目(ライヴ)の感想をつれづれと
(同内容のCDを聴いた人も参考になるかもしれません)。

第1部(バンドのみ)
キーボードのジョーダン・ルーデスの手元にはKORGOASISというシンセなど、「新兵器」が。
ドラマーのマイク・ポートノイは、会場のあるニューヨークを本拠地とするNBAのチーム、ニューヨーク・ニックスのユニフォーム風のシャツを着て登場。
1. The Root of All Evil
ジェイムズ・ラブリエのヴォーカルが1曲目から冴え渡る。間奏のユニゾンとギターソロも原曲どおり再現し、テクニックを見せ付ける
2. I Walk Beside You
1.も含め原曲を忠実に再現。でもオリジナルとは違ったよさがあっていい
3. Another Won
Dream TheaterとがまだMajestyと名乗っていた時代の曲で、私は初めて聴く。ここの主役はオリジナルメンバーのジョン・マイアング<b>、ポートノイ、ジョン・ペトルーシ<g>で、バンドに途中加入のルーデスとラブリエは脇役に徹し、控えめ。スクリーンのMajestyのロゴはお世辞にもかっこいいとは言えず、曲やアレンジも荒削りだが、勢いをすごく感じる。マイアングのベースが個人的な聴き所
4. Afterlife
1作目のアルバムより。これも私は初めて。3曲目よりも少し洗練されているが、エネルギッシュさは変わらず。ここもマイアング、ポートノイ、ペトルーシが主役
5. Under a Glass Moon
ラブリエ加入後初めてのアルバムで通算2作目・Image and Wordsより。ルーデスとラブリエもこのあたりから再び演奏や歌を前面に出してくる
6. Innocence Faded
3作目より(これも未聴)
7. Raise the Knife
4作目のFalling Into Infinityからの曲は演奏されていないが、その代わりに選ばれたのが、4作目アウトテイク(後にファンクラブの特典CDになったらしいが、持っていないのでわからない)のこの曲。これも初めて。なんとなく4作目全体にあるしっとりさと(アウトテイクらしいので当たり前かもしれないが)、メタルらしい激しさが同居しているという印象
8. The spirit carries on
ルーデス加入後、初めて作られた5作目の終盤を飾るバラード。ラブリエの歌が個人的に印象に残る

前半はバンドの曲調などの移り変わりがわかって面白い。

第2部(バンドとオーケストラ)
タキシードを着ているように錯覚させるポートノイのTシャツが面白い。
9. Six Degrees of Inner Turbulence
同名の6作目アルバムの最後を飾る曲。
オリジナルはなんと約42分で、CD1枚丸々使って収録し、さらに途中のパートから選曲できるようにしていた。
それほど壮大な曲だけに、オーケストラの共演もよく似合うし、個人的にもこの共演で聴いてみたかった曲の1つ。
各パートのうち、Overture(序曲), Good Night Kiss(中盤), Losing Time(フィナーレ)は、テンポが原曲よりも少し遅い(ように感じる)箇所がある。それがまたいい味を出し、感動を増幅させている。
Good Night Kissが個人的に好きな曲
※ちなみに、8作目・Octavariumの5曲目にPanic Attack(パニック発作という意味)という曲が収録されていることからわかるように、Dream Theaterには精神や精神病などについての曲がいろいろある
10. Vacant
7作目Train of Thoughtに収録され、間奏曲のような位置づけ。オーケストラが演奏したことで、オリジナルよりも厚みのある音に仕上がった
11, The Answer Lies Within
Octavarium収録(13曲目まで)。10曲目~11曲目のつながりも面白い。オリジナルに忠実
12. Sacrificed Son
これもオリジナルに忠実に再現。歌詞のテーマは同時多発テロと、重いもの
13, Octavarium
これも個人的にオーケストラとの共演を聴いてみたかった曲。
最初のキーボード(実際にはコンティニュウム(Continuum)という、特殊な電子楽器コントローラを主に使用)ソロを原曲よりも長めに取り、あとは原曲とほぼ同様。
この曲も演奏技術、特にキーボードとギターの凄さを堪能できる。
最初のフルートソロ、フィナーレのオーケストラが印象的。
チラッとしか映らないが、背景のスクリーンに映る映像やアニメにも注目

アンコール
14. Metropolis
2作目収録で、原曲は8分を超える長い曲。
意外とオーケストラとの相性が良かったことに驚き。
オーケストラとの共演が、ストリングスなどを導入した曲ばかり、というのもつまらないので、こういう曲があってもいい

バンドとオーケストラの共演だが、実は少しがっかりしている。
オーケストラとあるからにはそれなりのものだろうと思っていたが、実際は思っていたよりも規模が小さかった(スペースや予算の都合もあるだろうけど。ニューヨークにはニューヨーク・フィルハーモニックという有名なオーケストラがあるが、共演しろというのは酷だろう)。
はじめ、安物のイヤフォンでSix Degrees of Inner Turbulenceの最初のパート・Overtureの音を聴いていたが、思ったよりも迫力がなく、また音やテンポが外れているような箇所もあり、期待はずれだった。
その後、少しだけ高級なヘッドフォンで聴きなおしたらだいぶ良くなったが、それでも少し物足りない。
これはレコーディングが原因だと信じたい(現地にいたわけじゃないのでわからないが、ライヴ会場では迫力があったとは思う)。
一方で、オーケストラに練習不足があったのかもしれないが。
もし、エンジニアがオーケストラのレコーディングやミックスに関して素人なら、その部分だけは専門家に任せてもよかったのかもしれない。
ただ、バンドとオーケストラのアンサンブルの箇所は、音の厚さと広がりを感じた。
この共演を聴くためだけにDVDを買ったようなものなので、上で書いた不満を差し引いても十分満足。

ちなみに、オーケストラの譜面台は光っていた。
前述したMetallicaがライヴアルバム(映像化もされている)「S&M」に収録したコンサートでやったことの真似、もといリスペクトだろうか?
(Dream Theaterは、過去にライヴでMetallicaのアルバム・Master of Puppetsを曲順どおりカヴァーしたことがある。その評判を聞きつけ、Metallicaがそのときの演奏を聴きたい、とバンド側に申し入れたほど。この演奏はOfficial Bootregの形で入手可能)

ヴォーカルについて、ライヴに行った人は「ジェイムズの声が絶好調」という感想を持つ人も多かったようだが、それに偽りなし。

このDVDはオリジナルの演奏とは違ったライヴ演奏の良さが堪能できる1枚。

※今回トラックバックした先の一覧(兼トラックバックの削除防止)
丁寧に記事を書かれていることが伝わってきたので、思わずトラックバック。2番目はここの常連さんです

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